AI - INTERNATIONAL The word “Ai” is a name of Japanese color taken from a deep-blue flower named Ai.

現代の奇跡とも表現出来うる最高の芸術

88歳現役、世界最高峰のピアニスト

アルド・チッコリーニ ピアノ・リサイタル 2014年6月18日(水)19時開演(18時00分開場) 東京芸術劇場 コンサートホール

プログラム

ブラームス:4つのバラード Op.10
Johannes BRAHMS: 4 Ballades Op.10
グリーグ:ピアノ・ソナタ Op.7
Edvard GRIEG: Piano Sonata in e-minor Op.7
ボロディン:小組曲
Alexandre BORODINE: Petite Suite
カステルヌオーヴォ=テデスコ:
ピェディグロッタ 1924 ナポリ狂詩曲
Mario CASTELNUOVO-TEDESCO: Piedigrotta 1924,
Rapsodia napoletana

1949年ロン=ティボー国際コンクール優勝。フルトヴェングラー、 クライバー、チェリビダッケ、シュワルツコップ等20世紀の名匠と共演を重ねた伝説的ピアニスト、チッコリーニ。80年もの時をピアノとともに⽣きた名匠が、心をこめて贈るプログラム。

◇ 料金
S¥8,500 A¥7,000 B\5,500[全席指定]
B席のみ完売いたしました。
当日券はS席A席のみ18時より販売です。
◇ お申込
【東京芸術劇場ボックスオフィス】
0570-010-296(休館日を除く10:00-19:00) http://www.geigeki.jp/t/(パソコン)  http://www.geigeki.jp/i/t/(携帯)
【東京文化会館チケットサービス】
03-5685-0650(オペレーター対応10:00-19:00) http://www.t-bunka.jp/ticket/
【イープラス】
http://eplus.jp/ciccolini/(PC・携帯)
【チケットぴあ】
0570-02-9999 【Pコード:224-898】
◇ お問合せ
藍インターナショナル 03-6228-3732(平日10:00-18:00)
◇ 主催
テレビ朝日/藍インターナショナル
◇ 提携
東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)

チッコリーニの88鍵

 ひとつの音、あるいはひと連なりの響きに、人生のすべてが投映される。それも、輝かしく、息をひそめて、聴くひとの心につき刺さるように―。そうそうあることではないが、アルド・チッコリーニのピアノでは、こうしたことがいつだって起こり得る。
 音楽家はときに魔法使いにもなるが、チッコリーニの音楽の光は、ひたむきに謙虚な祈りのうちからやってくる。それは長い長い歳月をかけて、硬い芯のように、繊細な内面に灯されてきた結晶のようなものだ。その光の反射が、鍛えぬかれた技術を通じて、音として空間に放たれる。ときに永遠を謳うように響くが、しかしそこが私たちのともに生きる時間のなかであることもまた確かである。
 ここ10年間に重ねられてきた来日公演を通じて、ひとりの才能ある優秀なピアニストがそのままかたちのよい演奏表現をまっとうした、ということでは到底すまされない稀代の音楽家の奥行きを私たちは知ることになった。技術は高齢であるにも関わらず高く保たれ、そこにピアニストとしての誇りや矜持のようなものも感じられる。しかし、それにも増して近年のチッコリーニは一回一回の真剣な演奏を通じ、それらをはるかに超えて、生きることの自由を、凄味をもって歌っている。それも意図してではなく、ひたすら純粋に向き合った結果が、あるいは彼の意志を超えたところで、自然にそう顕われてくるといった佇まいで。永遠の名で語られるべきなにかが、ひとりの人間の全身全霊の営みと長年の献身を称えるかのように、チッコリーニの心をいまこの瞬間に導き、そして光り輝かせるのだろう。思い出も経験も、深い諦観も、未来への希望も、すべてが現在の響きのなかに時を忘れて微笑むようにして。
 チッコリーニのピアノは、若き日から名声を博したフランス近代のレパートリーはもちろん、ドイツ音楽の核心にも正当な格調をもたらし、ロシアや北欧の作品も含めて幅広く旅してきた。88歳での訪日となる初夏のプログラムはまず、ブラームスのバラード、グリーグのソナタといういずれも作曲家20代前半の青年の情熱を抱いてみせる。そして、1950年代のレコーディングもあるボロディンの小組曲、やはり録音も手がけたカステルヌオーヴォ=テデスコの「ナポリのラプソディー」という、まさにチッコリーニでなければ聴けない独自の選曲構成だ。フィレンツェに生まれ、ファシズムに抗した偉才の作はサンタ・ルチアの祭りをタイトルに、作曲年の1924年が銘打たれているが、それはチッコリーニの生誕の前年でもある。
敢えて挑むように大曲にも積極的に取り組んできた近年のチッコリーニだが、こうした多く小曲が連なる選曲では、さらに余裕をもって精細な詩性を煌めかせるに違いない。いずれも磨き抜かれて美しい、多彩な情熱を映す宝石のような作品ばかりだ。
 88というのはピアノの鍵盤の数とおなじで、横からみれば永遠が上下に並んでいる。ひとりの人間の生き抜いてきた歳月を数でいうのはどことなく軽率だが、それでも永遠がふたつならば、88歳を超えてなおも輝きを放つピアニスト、アルド・チッコリーニにはまったくふさわしいものに思えてくる。

青澤隆明(音楽評論)

ALDO CICCOLINI アルド・チッコリーニ(ピアノ)
1925年8月15日ナポリ生まれ。4歳からピアノを学び、ナポリ音楽院にて、フェルッチョ・ブゾーニ門下のパオロ・デンツァ、アキーレ・ロンゴに、それぞれ、ピアノ、 作曲を師事する。1949年、ロン=ティボー国際コンクール優勝。翌1950年、カーネギーホールでニューヨーク・フィルハーモニックと共演してセンセーションを巻き 起こし、以来、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ピエール・モントゥー、シャルル・ミュンシュ、セルジュ・チェリビダッケ、カルロス・クライバー、ロリン・ マゼールなど名指揮者の数々と共演、ピアノ界の重鎮として名を成す。1949年よりパリ在住、1969年にはフランス国籍を取得し、1971年から88年まで、パリ国立高等 音楽院のピアノ科教授を務めた。EMIレーベルを中心に膨大な録音歴をリリース。フランス政府より国家功労賞、芸術文化勲章、レジオン・ドヌール勲章叙勲、その他、エジソン賞、シャルル・クロス賞、ディアパソン賞等、受賞歴は数知れない。

未就学児の入場はご遠慮下さい。
事情により公演内容が一部変更となる場合がございます。開演致しますと、入場をお待ちいただく場合がございます。

アルド・チッコリーニ 2014年日本公演
◇ リサイタル
6月15日(日) 17:00 豊田市コンサートホール 0565-35-8200
6月21日(土) 15:00 川西市みつなかホール 072-740-1117

ブラームス、グリーグ、ボロディン、カステルヌオーヴォ=テデスコ
◇ 協奏曲
6月26・27日(木・金) 19:00 フェスティバルホール
指揮:下野竜也 大阪フィルハーモニー交響楽団
06-6656-4890(大阪フィル・チケットセンター)
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